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花粉症対策に乳酸菌を!いつ飲むのがベスト?薬との併用のコツと妊婦向けガイド

花粉症でつらい症状を少しでも和らげたい!乳酸菌が効くって聞くけど、いつ飲むのが効果的なの?妊娠中でも安心して使える方法が知りたい、という方は多いのではないでしょうか。実は、乳酸菌は花粉症の症状緩和に効果が期待されており、飲むタイミングや薬との併用方法を工夫すれば、より高い効果を得られます。妊婦の方でも安心して取り入れられる方法もあります。この記事では、乳酸菌が花粉症対策にどのように役立つのか、最適な摂取タイミングや薬との併用のコツ、さらに妊婦の方に向けた安全な取り入れ方を詳しく解説します。

花粉症に乳酸菌が効く理由

花粉症は、特定の花粉に対する免疫系の過剰反応によって引き起こされるアレルギー性疾患です。日本では、スギやヒノキの花粉が特に問題視されています。近年、乳酸菌が花粉症の症状緩和に寄与する可能性があることが多くの研究で示されています。以下では、乳酸菌が花粉症に効く理由について詳しく解説します。

免疫系の調整

乳酸菌は腸内フローラのバランスを整えることで、免疫系の働きを調整します。腸内には多くの免疫細胞が存在し、腸内環境が免疫細胞に大きな影響を与えます。乳酸菌は、乳酸を腸内で作る事でpHを下げて腸内の有害な細菌の増殖を抑え、善玉菌の割合を増やすことで、免疫系の過剰反応を抑える役割を果たします。この腸での過剰な免疫反応の抑制を担当するTreg細胞などがその後全身を循環して各部位での過剰な免疫反応を抑える事に繋がり、鼻炎や眼症状など花粉に対する過剰なアレルギー反応が軽減されると考えられています。

アレルギー反応の抑制

花粉症などのⅠ型アレルギー反応の機序は、概略としてはスギ花粉症の場合、スギ花粉(抗原)が鼻粘膜などにあるIgE抗体に特異的に結合し、同じく鼻粘膜にある肥満細胞表面IgE抗体受容体(FcεRI)にスギ花粉抗原と結合したIgE抗体が結合する事で、肥満細胞内のヒスタミンなどの炎症誘発物質が集まった顆粒が細胞外に放出される事で起こります。Ⅰ型アレルギーの方に病院などで処方される抗ヒスタミン薬は、上記のヒスタミンがヒスタミン受容体に結合し鼻炎反応を起こす前に、ヒスタミン受容体に競合的に結合しヒスタミンが受容体に結合する事を防ぐ事で炎症反応を抑制するお薬です。乳酸菌は、抗ヒスタミン薬と異なりⅠ型アレルギー反応を引き起こすIgE抗体の免疫細胞からの産生を抑えることが示されています。一例として乳酸菌YRC3780株は、動物実験およびヒト臨床試験においてIgEの産生を抑制し、アレルギー症状を軽減する効果が確認されています。またIgEなどの抗体を産生する免疫反応は、Th2細胞という免疫の司令塔であるT細胞のサブグループが担っていますが、この乳酸菌摂取によりTh2細胞の割合が減り、T細胞のうち過剰な免疫反応を抑制するTreg細胞というサブグループが増える事も示されています。これにより、花粉症の症状として鼻水やくしゃみ、目のかゆみなどが緩和されるのです。またYRC3780株以外にも乳酸菌YIT 0132株含有発酵飲料やいくつかの乳酸菌で同様の効果が実証されています。

参考:
久保田 憲広ら「新規機能性を有する乳酸菌製品の開発
Lactiplantibacillus plantarum YIT 0132発酵果汁飲料によるアレルギー抑制効果」(Kagaku to Seibutsu 62(4): 201-205 (2024))
よつば乳業「Suppressive Effect of Lactococcus lactis subsp. cremoris YRC3780 on a Murine Model of Japanese Cedar Pollinosis​」

腸内フローラの改善

腸内フローラのバランスが崩れると、免疫系の機能が低下し、アレルギー反応が強まることがあります。腸内や皮膚などの共生細菌が一切ない環境で育てた「無菌マウス」と呼ばれるマウスでは、通常の菌叢をもつSPFと呼ばれるマウスに比べTreg細胞の割合が減少し、Th2細胞の割合が増加、Ⅰ型アレルギーと関係するIgE抗体量も増加する事が報告されています。無菌マウスとまでいかなくとも、小さいころから抗生剤の常用や静菌効果のある保存剤(食品添加物)を多く含む食品を常食する事で腸内細菌叢の多様性が失われ(ディスバイオーシス)、アレルギーに対する感受性が高まる事が報告されています。花粉症と腸内細菌叢の明確な因果関係はまだ分かっていませんが、アレルギー児では腸内細菌で黄色ブドウ球菌が増え、乳酸菌やビフィズス菌の割合が低いという報告もあります。乳酸菌を含む食品を摂取することで、腸内フローラが改善され、免疫系が正常に機能するようになると考えられます。

参考:
白鳥弘明ら「腸内共生系における免疫寛容機構」(Drug Delivery System 37 2, 2022)
下条 直樹「小児の腸内細菌叢とアレルギー」(腸内細菌学雑誌 37 : 187-198,2023)

上皮バリア機能の改善

花粉症は、花粉に対する免疫反応として炎症が引き起こされます。その際に鼻粘膜では炎症に付随し、上皮細胞同士の接着が弱くなり異物(花粉)が体内に侵入しやすくなります。これを透過性の亢進と呼びますが、アレルギー反応の増悪要因として近年では問題視されています。また花粉症の方は鼻粘膜上皮の透過性亢進だけでなく、腸上皮の透過性亢進も起こっている事が多いと言われています。これをリーキーガット(腸漏れ)と呼び、食事などでも本来反応しないはずの食物が未消化のまま抗原(異物)として腸漏れを通じ体内に入りやすくなるため、免疫細胞が常に活性化し全身性のアレルギーなどの過剰反応に繋がりやすくなると考えられています。乳酸菌は、この腸粘膜上皮の接着分子の発現を誘導し、腸漏れを塞ぐ可能性が示唆されています。これに粘膜のバリア機能が正常に保たれ、「炎症を起こしやすい」体質の改善に繋がる事が期待されます。

参考:
三輪正人「専門医のためのアレルギー学講座 30. バリア機構と免疫・アレルギー 3. 鼻粘膜上皮バリア機構と免疫・アレルギー」(アレルギー 67(6), 2018)
大野博司「専門医のためのアレルギー学講座 39. 粘膜免疫と免疫寛容 2. 経口免疫寛容」(アレルギー 69(8), 2020)

まとめ

乳酸菌は、腸内フローラの改善や免疫系の調整、アレルギー反応の抑制、上皮バリア機能の改善などを通じて、花粉症の症状緩和に寄与する可能性があります。日常的に乳酸菌を含む食品を摂取することで、花粉症の症状を軽減することが期待されます。今後もさらなる研究が進むことで、乳酸菌の効果がより明確になることが期待されます。

乳酸菌の効果を最大化する飲むタイミング

乳酸菌は腸内環境を整えるために重要な役割を果たす微生物であり、免疫力の向上や消化の改善に寄与します。これらの効果を最大限に引き出すためには、摂取のタイミングや方法が非常に重要です。以下では、乳酸菌の効果を最大化するための具体的な飲むタイミングと方法について詳しく解説します。

乳酸菌の摂取タイミング

就寝前の摂取
乳酸菌を摂取する最適なタイミングの一つは、就寝前です。免疫細胞は夜間に最も活発に働くため、就寝前に乳酸菌を摂取することで、体内の免疫バランスを整える助けになります。特に、睡眠中は腸内環境が整いやすく、乳酸菌が効果的に働く環境が整います。これにより、腸内の善玉菌が増え、悪玉菌の抑制が期待できるのです。

・花粉飛散1~2カ月前からの継続的な摂取の重要性
乳酸菌は一度摂取しただけでは体内に長く留まることはありません。そのため、毎日一定量を継続的に摂取することが重要です。特に、花粉症の季節が近づく前の1~2ヶ月間にわたって乳酸菌を摂取し始めることで、免疫バランスが整いやすくなり、症状が出る前に対策を講じることができます。このように、準備期間を設けることで、花粉症のピーク時に最大の効果を期待できるのです。

 乳酸菌の摂取方法

・ヨーグルトやサプリメントの選択、糖分を控える
乳酸菌を摂取する方法としては、ヨーグルトや乳酸菌飲料、サプリメントなどがあります。ヨーグルトは、乳酸菌を豊富に含む食品であり、手軽に摂取できるためおすすめです。ただし、選ぶ際には添加物や過剰な糖分が含まれていないものを選ぶことが重要です。特に、ヨーグルトなどで白砂糖を加えすぎないように注意しましょう。過剰な糖分はアレルギー反応を増悪させる可能性があります。

・水分補給の重要性
乳酸菌の効果を最大化するためには、水分補給も欠かせません。水分不足は腸内環境を悪化させる要因となり、乳酸菌の働きを妨げる可能性があります。特に、乳酸菌を摂取する際には、十分な水分を摂ることで腸内の環境を整え、乳酸菌が効果的に働くことを助けます。日常的に水分を意識的に摂取することが、腸内環境の改善に繋がります。

乳酸菌の効果を高める生活習慣

・バランスの取れた食事
乳酸菌の効果を最大化するためには、バランスの取れた食事も重要です。食物繊維を多く含む野菜や果物、発酵食品を積極的に摂取することで、腸内の善玉菌を増やすことができます。ただし抗アレルギー薬などを服用する場合は、食物繊維摂取から時間をおいて服用する方が良いでしょう。また、加工食品や高脂肪、高糖分の食品は腸内環境を悪化させるため、控えることが望ましいです。

・ストレス管理
ストレスは腸内環境に悪影響を及ぼす要因の一つです。ストレスがかかると、腸の動きが鈍くなり、腸内のバランスが崩れることがあります。リラックスする時間を持つことや、適度な運動を行うことで、ストレスを軽減し、腸内環境を整えることができます。

まとめ

乳酸菌の効果を最大化するためには、摂取のタイミングや方法、生活習慣が重要です。特に、就寝前の摂取や継続的な摂取が効果的であり、ヨーグルトやサプリメントを選ぶ際には、添加物や糖分に注意が必要です。また、水分補給やバランスの取れた食事、ストレス管理も腸内環境を整えるために欠かせない要素です。これらを意識することで、乳酸菌の効果を最大限に引き出し、健康的な生活を送ることができるでしょう。

妊婦も安心!花粉症対策に乳酸菌を取り入れる方法

妊娠中は、ホルモンバランスや免疫機能の変化により、花粉症の症状が悪化することがあります。妊婦にとって、花粉症の症状を軽減するための安全で効果的な方法として、乳酸菌の摂取が注目されています。以下では、妊婦が乳酸菌を取り入れる方法やその効果について詳しく解説します。

妊娠中の免疫機能と花粉症の関係

妊娠中は、体内の免疫機能が変化し、増加する女性ホルモン(エストロゲン)の働きで鼻の粘膜が腫れやすいため特にアレルギー反応が強くなることがあります。また胎児への影響を防ぐため免疫系に関わる強いお薬を妊娠中は使えないという事もあります。このため、妊婦は花粉症の症状が悪化しやすくなります。具体的には、鼻水、くしゃみ、目のかゆみなどの症状が現れやすくなります。さらに妊娠中は胎児を免疫細胞が攻撃しないように免疫力全体が低下する傾向にあるため、感染症にかかりやすくなるリスクもあります。

参考:ヒロクリニック 妊婦さんの花粉症、対策方法は?【医師監修】

乳酸菌の効果

乳酸菌は、腸内環境を整えることで知られていますが、最近の研究ではアレルギー症状の緩和にも効果があることが示されています。乳酸菌は腸内の善玉菌を増やし、免疫系のバランスを整える働きがあります。特に、ビフィズス菌やL-92株の乳酸菌は、花粉症の症状を軽減する効果があるとされています。さらに前項で示したように全体的な免疫力が低下しやすい妊娠中は、感染症予防対策としても乳酸菌は免疫を活性化するため期待できると言えるでしょう。

参考:
久保田 憲広ら「新規機能性を有する乳酸菌製品の開発
Lactiplantibacillus plantarum YIT 0132発酵果汁飲料によるアレルギー抑制効果」(Kagaku to Seibutsu 62(4): 201-205 (2024))
よつば乳業「Suppressive Effect of Lactococcus lactis subsp. cremoris YRC3780 on a Murine Model of Japanese Cedar Pollinosis​」

妊婦にとっての乳酸菌の安全性

乳酸菌は自然由来の成分であり、副作用がほとんどないため、妊娠中でも安心して摂取できます。多くの研究が、妊婦が乳酸菌を摂取しても胎児に悪影響を及ぼさないことを示しています。また、乳酸菌は消化器系の健康をサポートし、妊婦がよく経験する便秘や消化不良の改善にも寄与します。さらに小児のアトピー性皮膚炎の発症と乳酸菌摂取について大規模に調査した結果、妊娠中の母体の乳酸菌摂取が乳児のアトピー性皮膚炎の発症を有意に抑制する事が示されており、胎児にも良い影響があるとの報告もあります。ただし妊娠中花粉症以外にも何らかの疾患のお薬を服用している場合、必ずかかりつけ医に相談し乳酸菌を摂取しても問題ないか確認の上摂取すると良いでしょう。

参考:
松本健治「妊娠中の各種因子の曝露が児のアレルギー疾患の発症に及ぼす影響」(アレルギー 63(6) 2014)

乳酸菌の摂取方法

妊婦が乳酸菌を取り入れる方法としては、以下のような選択肢があります。

ヨーグルト
酸味の少ないヨーグルトを選ぶことが重要です。特に、無添加のプレーンヨーグルトや、L-55乳酸菌などを含む製品は、花粉症の症状を緩和する効果があるとされています。ヨーグルトは、毎日摂取することで腸内環境を整え、免疫機能をサポートします。

プロバイオティクスサプリメント
無添加のプロバイオティクス製品を選ぶことで、胃腸への負担を軽減できます。妊婦向けに特別に設計されたサプリメントも多く、これらは腸内フローラを整えるのに役立ちます。特に、ラクトバチルス菌やビフィズス菌を含む製品が推奨されます。

発酵食品
納豆やチーズなどの発酵食品も乳酸菌を豊富に含んでいます。これらの食品は、腸内環境を整えるだけでなく、栄養価も高いため、妊婦にとって非常に有益です。妊娠中の発酵食品の摂取、特にチーズ摂取量がより多いと、3歳時点の子供の睡眠不足の割合が少なくなったとの報告もあります。

参考:
環境省「子供の健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」(BMC Public Health volume 22, Article number: 1504 (2022))

乳酸菌摂取の注意点

妊婦は消化器系がデリケートになることが多いため、乳酸菌の選び方には注意が必要です。以下のポイントを考慮しましょう。

・酸味の少ない製品を選ぶ
酸味が強いと胃腸に負担がかかることがあります。プレーンヨーグルトや無添加の製品を選ぶと良いでしょう。

・適量を守る
乳酸菌は過剰に摂取する必要はありません。毎日適量を摂取することが大切です。

・医師に相談する
妊娠中に新しい食品やサプリメントを取り入れる際は、必ず医師に相談することをお勧めします。

まとめ

妊娠中の花粉症対策として乳酸菌を取り入れることは、安全で効果的な方法です。乳酸菌は腸内環境を整え、免疫機能をサポートすることで、花粉症の症状を軽減する助けとなります。妊婦は、酸味の少ないヨーグルトや無添加のプロバイオティクス製品を選び、適量を守って摂取することが重要です。これにより、妊娠中でも安心して花粉症対策を行うことができます。

薬との併用で注意すべきポイント

乳酸菌は花粉症対策に有効とされており、特に免疫機能を調整する働きが注目されています。しかし、薬との併用においては注意が必要です。以下に、乳酸菌と薬の併用に関する重要なポイントを詳述します。

乳酸菌の安全性と相互作用

乳酸菌は一般的に安全性が高いとされていますが、特定の薬と併用する際には相互作用が生じる可能性があります。特に、抗アレルギー薬や抗生物質を服用している場合は、医師に相談することが推奨されます。抗生物質は腸内の善玉菌を減少させるため、乳酸菌の効果を一時的に減少させることがあります。このため、抗生物質を服用している場合は、服用後2時間以上空けてから乳酸菌を摂取することが望ましいとされています。

参考:
機能性表示食品「植物性乳酸菌 匠乃キムチ」(届出番号C125)
藤井大樹「アレルギー性鼻炎に対するプロバイオティクスのEBM」(日鼻誌 60(1) 2021)

抗アレルギー薬との併用

一部の研究では、特定の乳酸菌が抗アレルギー薬の効果を高める可能性が示されています。例えば、L-55乳酸菌を含む製品が抗アレルギー薬と併用することで、花粉症の症状を緩和する効果があるとの報告があります。しかし、すべての乳酸菌が同様の効果を示すわけではなく、相乗効果が見られるかどうかは明確ではありません。したがって、乳酸菌を併用する際には、どの種類の乳酸菌が効果的かを医師に相談することが重要です。

参考:木村五郎ら「Lactobacillus acidophilus L-55 含有ヨーグルト飲用のスギ花粉症に対する臨床効果の検討」(アレルギー 61(5) 2012)

適切な摂取量と過剰摂取のリスク

乳酸菌の摂取量にも注意が必要です。過剰な摂取は逆効果になる場合があり、腸内環境を乱す可能性があります。製品のラベルに記載された適量を守ることが重要です。特に、乳酸菌を含むサプリメントや食品を併用する場合は、総摂取量を考慮する必要があります。

まとめ

乳酸菌は花粉症対策に有効ですが、薬との併用時には注意が必要です。特に抗アレルギー薬や抗生物質を服用している場合は、医師に相談し、適切な摂取方法を守ることが重要です。乳酸菌の種類や摂取量に気を付けることで、より効果的に花粉症対策を行うことができるでしょう。
乳酸菌と薬の併用に関する研究は進んでおり、特に抗アレルギー薬との併用においては、乳酸菌が免疫機能を調整し、アレルギー症状を軽減する可能性が示されています。例えば、L-55乳酸菌は、抗アレルギー薬の効果を高めることが報告されていますが、他の乳酸菌の種類については、効果が異なる可能性があるため、医師に相談することが重要です。
また、乳酸菌の摂取タイミングも考慮する必要があります。抗生物質を服用している場合、腸内の善玉菌が減少するため、乳酸菌の効果が減少することがあります。このため、抗生物質の服用後は2時間以上空けてから乳酸菌を摂取することが推奨されています。さらに、乳酸菌の種類や摂取量に応じて、効果や副作用が異なるため、製品のラベルに記載された適量を守ることが重要です。
最近の研究では、特定の乳酸菌が腸内フローラを改善し、免疫応答を調整することで、アレルギー症状の軽減に寄与することが示されています。これにより、乳酸菌の摂取が花粉症の予防や症状緩和に役立つ可能性があることが示唆されています。したがって、乳酸菌を併用する際には、医師と相談しながら適切な種類と量を選ぶことが重要です。

まとめ

乳酸菌は花粉症対策に効果が期待される成分として注目されています。花粉症は免疫系の過剰反応によって引き起こされるアレルギー疾患ですが、乳酸菌は免疫調整作用を通じてアレルギー反応を緩和します。特にIgE抗体の産生を抑制し、免疫バランスを整えることで、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどの症状を軽減します。乳酸菌は腸内フローラを改善し、腸内の善玉菌を増やすことで免疫力を高めるほか、粘膜バリア機能の強化にも寄与します。 

乳酸菌の効果を最大限に引き出すためには、摂取のタイミングや継続期間が重要です。花粉シーズンの1~2か月前から摂取を開始し、毎日継続することで腸内環境を整え、免疫機能を徐々に改善できます。摂取方法としては、ヨーグルトや乳酸菌飲料、サプリメントが一般的です。これらを摂取する際には、糖分を控えることや水分補給をしっかり行うこともポイントです。また、バランスの取れた食事やストレス管理も併せて行うことで、さらに効果が高まります。 

妊娠中はホルモンバランスや免疫の変化により花粉症の症状が悪化しやすくなるため、乳酸菌の摂取は安全かつ有効な対策として推奨されます。乳酸菌は便秘改善や感染予防にも役立ち、胎児への悪影響もありません。そのため、妊婦でも安心して取り入れることができます。さらに、乳酸菌は妊婦が摂取することで乳児のアトピー予防にもつながる可能性があるとされ、母子ともにメリットが期待できます。  乳酸菌を活用した花粉症対策は、副作用が少なく、長期的な健康維持にも役立つため、多くの人にとって取り入れやすい方法です。効果を実感するには継続的な摂取と生活習慣の改善が欠かせません。薬との併用は抗生剤と抗アレルギー薬の併用時など注意をし、医師に相談しながら摂取すると良いでしょう。


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