メシマコブ菌糸体

メシマコブ菌糸体は、メシマコブ菌糸体を液体培養し、菌糸体を滅菌粉砕した素材です。メシマコブの子実体と比べ、ポリフェノールを豊富に含み、免疫賦活作用や抗酸化作用が期待出来ます。

基本情報

期待出来る機能・免疫賦活作用
・抗酸化作用
形状粉末
溶解性不溶性
規格項目β-グルカン20.0%以上
表示例メシマコブ菌糸体
納品形態1㎏(製品名:メシマコブ菌糸体(S))
10㎏

※このページに記載している情報は、健康食品等の業界関係者を対象にしており、製品の効果・効能を謳うものではございません。

目次
1.メシマコブの開発ストーリー
 1-1 薬用キノコとして知られるメシマコブ
 1-2 メシマコブ子実体と菌糸体、菌糸体の製造方法
 1-3 メシマコブポリフェノールとβグルカン
2. 詳細データ
 2-1 感染防御効果(インフルエンザ予防効果)
 2-2 胆石形成抑制効果
 2-3 血糖値改善効果

1.メシマコブの開発ストーリー

  • 1-1 薬用キノコとして知られるメシマコブ
色々なサルノコシカケの仲間たち、都会でも公園の古い樹木で見かける事ができます

メシマコブ(英名:Phellinus Linteus)は日本でもよく知られるサルノコシカケの近縁種で、タバコウロコタケ科のキノコの一種です。元々桑の木に自生しサルノコシカケのようなコブ状の形態になること、また長崎県の女島(メシマ)で多く見られた事からメシマコブという名称が付けられたと言われています。漢方では桑黄(ソウオウ)として生薬に用いられますが、これは桑の木に自生するメシマコブが、非常に黄色い特徴があるためです。メシマコブが注目を集めるようになったのは1968年に国立がんセンターの研究により、ガン細胞の増殖抑制効果が様々なキノコ類の中で96.7%と最も高かった事が発表されてからです。このような生薬への利用や抗腫瘍効果から、メシマコブは薬用キノコの代表として知られるようになりました。

  • 1-2 メシマコブ子実体と菌糸体、菌糸体の製造方法

メシマコブは木の表面に出ている傘の部分が子実体(fruit body)、木の内部にある部分を菌糸体(mycelium)と呼びますが、子実体も実は菌糸体が複雑に分化して大型化した構造と言えます。子実体が自生する桑の木は養蚕業で用いられ全国にもたくさんありましたが、養蚕業の衰退と共に桑の木自体が消失しました。さらにメシマコブは成長が遅く20cmほどの大きさになるのに20年以上かかると言われている事から、現在では「幻のキノコ」と呼ばれ子実体を目にする事は殆どありません。一方でメシマコブの菌糸体は培養する事ができるようになり、当社でも独自の発酵技術でメシマコブ菌糸体の大量培養、製造に成功しました。

  • 1-3 メシマコブポリフェノールとβ-グルカン
メシマコブポリフェノールはメシマコブ子実体より菌糸体で多い事が確認されています
β-グルカン含量
20.0%以上

本製品では規格値を設けていませんが、メシマコブ菌糸体は他の機能性キノコに比べて総ポリフェノール量が多い事が報告されています(日本栄養・食糧学会誌 58 (4) 225-229,2005)。またメシマコブには20種類以上のポリフェノールが含まれることも近年報告されており、当社でもメシマコブポリフェノールが胆石形成抑制効果、血糖値上昇抑制効果の関与成分となる事を報告しています。それ以外にも免疫賦活作用を持つβ-グルカンを20%以上含有しています。

2. 詳細データ

  • 2-1 感染防御効果(インフルエンザ予防効果)
感染3日後の肺のインフルエンザウイルス量
感染14日後の血清中インフルエンザウイルス中和抗体量

【試験概要】
マウスにメシマコブ菌糸体を投与しその後インフルエンザウイルスを経鼻感染させ、肺のウイルス量や血清中の中和抗体量を調べました。

被験動物6週齢雌性BALB/cマウス(n=10)
試験サンプルメシマコブ菌糸体(5 mg/day)
期間21日間(ウイルス感染7日前から14日後まで試験サンプル経口投与)
試験方法試験7日前からサンプルを0.4 mLの水に懸濁し経口投与を行った。試験0日目にA型インフルエンザウイルス(H1N1亜型)を2×104PFU麻酔下経鼻感染させ、感染3日後に肺ウイルス量の測定、感染14日後に血清中和抗体量の測定を行った。

【試験結果】
メシマコブ菌糸体投与群ではウイルス量がピークとなる感染3日後の肺ウイルス量が有意に低下し、インフルエンザの症状が回復する感染14日後には血清ウイルス中和抗体価が有意に増加している事が確認されました。

  • 2-2 胆石形成抑制効果
胆石を形成した個体数(各群右側%)と胆石のグレード評価:胆石の評価としてグレードA(胆石無し)グレードB(胆砂)グレードC(数個の胆石)グレードD(胆嚢中に胆石20%形成)グレードE(胆嚢中に胆石50%形成)に分類
血清AI肝臓総コレステロール(mg/mouse)糞便中総コレステロール(mg/day)糞便中総胆汁酸(μmol/day)
対照群1.23±0.15b121±4b11.1±1.21.22±0.14
子実体群0.91±0.08ab105±6a12.5±0.71.33±0.20
菌糸体群0.83±0.06a104±3a12.1±0.41.41±0.09
血清、肝臓、糞便中の脂質分析表:血清AIは動脈硬化指数を指し、(総コレステロールーHDLコレステロール)/HDLコレステロールで算出され高いほど動脈硬化リスクが高まる、また表のアルファベットは異なる同士の群で有意差(p<0.05)を示す

【試験概要】
メシマコブ菌糸体の胆石形成に対する効果を調べました。マウスに胆石を形成する特殊な飼料(コレステロール、コール酸負荷飼料)を与え、その飼料に3%のメシマコブ菌糸体、またはメシマコブ子実体、対照群として同量のショ糖で調整した飼料を自由摂取させ、胆石の形成度を投与21日目に評価しました。各個体を解剖後胆石を形成した個体数の割合と胆石のグレードを評価し、また血清、肝臓、糞便中の脂質分析を行いました。

被験動物5週齢雄性ICRマウス(n=10)
試験サンプルメシマコブ菌糸体または子実体3%配合飼料(コレステロール、コール酸負荷飼料)
期間21日間
試験方法予備飼育後試験サンプルを配合した胆石形成用の負荷飼料を21日間摂取させ、その後採血、胆嚢中の胆石形成を尺度評価し、各群の胆嚢中TC/BA比(総コレステロール/胆汁酸比:左図で各群平均の矢印)を求めた。

【試験結果】
試験後の胆石を形成したマウスの割合は対照群で80%だったのに対し、子実体投与群で40%、菌糸体投与群では30%(10匹中7匹がグレードA(胆石無し)評価)と大幅に減少しました。またTC/BA比は胆石形成の重篤度と相関し、メシマコブ子実体または菌糸体の摂取で対照群に比べ低下する傾向を示しました。次に血清中の脂質評価をしたところメシマコブ菌糸体群で総コレステロール低下、HDL-コレステロール増加傾向を示し(データ未掲載)、血清AI値の有意な改善が認められました。また、肝臓総コレステロールの有意な低下と糞便中総コレステロール及び総胆汁酸量の増加傾向が示されました。
これは食餌中コレステロールの排泄促進および胆汁酸の再吸収が抑制されたされた結果と考えられました。

 (日本食品科学工学会誌 53(5) 268-274, 2006より引用)

  • 2-3 血糖値改善効果
   メシマコブ菌糸体摂取による食事後血糖値の変化

【試験概要】
メシマコブ菌糸体の血糖値に対する効果を調べるため、健常なラットにメシマコブ菌糸体熱水抽出物を投与しその後糖負荷をかけて血糖値の上昇を調べました。

被験動物5週齢雄性Wistarラット(n=10)
試験サンプルメシマコブ菌糸体熱水抽出物
(800 mg/kg B.W)
期間単回投与
試験方法予備飼育の後20時間絶食後尾静脈から採血し空腹時血糖測定、その後試験サンプルを胃ゾンデにて投与し30分後に糖負荷(20%ショ糖溶液10 mg/kg B.W経口投与)を行った。ショ糖負荷30分、60分、90分後に採血し血糖値を測定した。

【試験結果】
メシマコブ菌糸体熱水抽出物の投与により、健常ラットの血糖値の緩やかな上昇と糖負荷30分後の有意な血糖値の抑制が確認されました。また別途糖尿病モデルラット(STZ糖尿病ラット)でも同様に調べたところ、血糖値の緩やかな上昇を示し、作用機序としてα-グルコシダーゼの阻害活性が確認されました(データ未掲載)。

(日本栄養食糧学会誌 58(4) 225-229, 2005より引用)

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