植物性乳酸菌醗酵物YJK-13は、ヤヱガキオリジナルの植物由来乳酸菌JK-13株を用いて、消化吸収性に優れた大豆ペプチドを発酵させた発酵素材です。大豆ペプチドの栄養的・機能的価値に加え、乳酸菌が持つ免疫賦活作用や整腸作用など優れた機能性が期待出来ます。
期待出来る機能 | ・抗酸化作用 ・免疫賦活作用 ・整腸作用 |
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形状 | 粉末 |
溶解性 | 水溶性 |
表示例 | 大豆ペプチド乳酸菌発酵物 (大豆ペプチド、デキストリン) |
納品形態 | 500g×10 |
推奨摂取量 | 0.1~1.0g/日 |
※このページに記載している情報は、健康食品等の業界関係者を対象にしており、製品の効果・効能を謳うものではございません。
1.植物性乳酸菌醗酵物YJK-13の開発ストーリー
乳酸菌JK-13はヤヱガキ醗酵技研が持つ独自の乳酸菌株で、伝統的な漬物から分離した植物由来乳酸菌(植物性乳酸菌)で正式名称はLactobacillus plantarum JK-13です。特に免疫細胞を活性化する機能性が強く、1 gのYJK-13中に100 億個(ヨーグルト100 g相当)の乳酸菌JK-13(熱処理死菌)を含みます。
ヒトの免疫システムは大きく2つに分類され、「自分以外」をすべて攻撃する自然免疫細胞と、狙ったターゲットのみ攻撃する獲得免疫細胞があります。特に腸管の自然免疫細胞をいわゆる善玉菌や各種食品に含まれる機能性成分で効率的に活性化する事で、獲得免疫も活性化し全身の免疫システムの健康な維持に繋がる事が注目されるようになりました。さらに様々な乳酸菌の成分は抗原提示細胞からナイーブT細胞(Th0)に提示されることで、免疫の司令塔であるヘルパーT細胞の分化のバランスを取り、現代人に多いアレルギータイプ(Th2優勢型)から細胞性免疫誘導のTh1優勢型にバランスを戻してくれる事が知られています。
被験動物 | Balb/cマウス |
試験サンプル | 乳酸菌JK-13熱処理死菌体または同量のプラセボ (2mg/day経口投与) |
期間 | 14日間 |
試験方法 | マウスに試験サンプルを試験開始0日目から14日目まで経口投与した。試験開始8日目から14日目まで毎日2.5時間50mLチューブにマウスを入れて拘束し、ストレス負荷を与えた。試験14日目にマウス脾臓細胞を取り出し5×108cell/mLに調整し、ConA(コンカナバリンA)処理を行い20時間培養、その後培養上清からサイトカイン(IFN-γ、IL-4)の測定を行った。 |
ストレスは免疫力を低下させる事が学術的にも体感的にも良く知られています。ニューノーマルと呼ばれる現代社会では自由に動く事が制限され、それがストレスとなり免疫力の低下に繋がる「拘束性ストレス」状態になりやすいと言えます。この実験ではマウスを狭いチューブに閉じ込め慢性的な拘束性ストレスを負荷した後、免疫バランスがどう変わり、乳酸菌JK-13がどのように働くか調べました。試験結果からは慢性的な拘束性ストレスによりTh1/Th2バランスが崩れる事が分かり、乳酸菌JK-13の摂取によりそのバランスの崩れを改善する事が確かめられました。
植物性乳酸菌醗酵物 YJK-13(以下YJK-13)は、乳酸菌JK-13株(Lactobacillus plantarum JK-13)を大豆ペプチドを原料として液体培養し、殺菌した培養液に賦形剤(デキストリン)を添加して乾燥、粉末化した食品原料です。
そのため元々タンパク質含量の多い大豆の栄養成分と近似し、タンパク質(ペプチド)含量70%以上という特徴があります。近年このペプチドが微量でも働く機能性成分として注目されており、当社でも様々な機能性データが得られています。加えてYJK-13は上述の乳酸菌JK-13(熱処理死菌)を100億個/g含むという特徴があります。
栄養成分分析項目(/100g) | YJK-13 |
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タンパク質 | 76.7g |
脂質 | 0.06g |
灰分 | 4.36g |
糖質 | 10.5g |
エネルギー | 359kcal |
食物繊維 | 4.68g |
2. 詳細データ
大豆などのタンパク質は分解酵素によりペプチドになる事で、抗酸化能を持つ事が知られています。身体にダメージを与える過酸化物質は様々な種類があり、通常不安定な過酸化物質の消去能を調べるために比較的安定なラジカルを持つDPPHという物質を用い、大豆ペプチドとYJK-13の抗酸化能を調べました。
【試験概要】
in vitroの試験系として、サンプルを各2%にイオン交換水で調整し、よく攪拌した後、遠心分離(15000 rpm・3分)を行い、遠心上清のDPPHラジカル捕捉活性を測定しました。また活性酸素の代表例としてスーパーオキシド(O2-)があり、その消去能(SOD様活性)を調べました。
【試験結果】
YJK-13の強いラジカル捕捉活性およびSOD様抗酸化活性が認められました。
【試験概要】
YJK-13に含まれるタンパク質の内、アミノ酸の構成について分岐鎖アミノ酸(BCAA:バリン、ロイシン、イソロイシン)が多い傾向(約16%)が確認されています。分岐鎖アミノ酸は持久系アミノ酸とも呼ばれ、抗酸化ペプチド等と共に持久力の改善に役立つことが報告されているためマウスでYJK-13の持久力に対する効果を調べました。
被験動物 | 7週齢雌性ICRマウス(n=12) |
試験サンプル | YJK-13、対照群として同量の水投与(1.0g/kg B.W) |
期間 | 2週間連続投与 |
試験方法 | マウスに遊泳30分前にサンプルを経口投与し、尾部に体重の7%の錘をつけ遊泳させた。頭が完全に沈むまでの時間を遊泳時間とし測定を行った。 |
【試験結果】
対照群に比べYJK-13投与群では遊泳時間の延長傾向が見られました。これによりYJK-13に含まれる抗酸化ペプチドやBCAAが持久力の改善に役立つことが示唆されました。
【試験概要】
乳酸菌は善玉菌として知られますが、特に粘膜免疫と細胞性免疫を賦活するⅠ型ヘルパーT細胞(Th1)を活性化し、粘膜からの異物の侵入やアレルギーの原因となる免疫バランスの改善に役立つことが知られています。YJK-13のそれらに対する効果を培養細胞(脾臓細胞、パイエル板細胞それぞれ5×106cell/mL)を用いて調べました。
培養細胞 | Balb/cマウス由来パイエル板細胞(粘膜免疫測定)および脾臓細胞(細胞性免疫測定) |
試験サンプル | YJK-13、大豆ペプチド、対照群として生食水(各100 μg/mL添加) |
期間 | サンプル添加後5日間培養(パイエル板細胞)、または24時間培養(脾臓細胞) |
試験方法 | マウスから調整したそれぞれの細胞培地にサンプルを添加し、培養期間終了後IgAおよびIL-12の測定を行った。 |
【試験結果】
大豆ペプチドに比べ、YJK-13でパイエル板細胞への高いIgA産生誘導能が確認され、同様に脾臓細胞へのIL-12産生誘導能が確認されました。これよりYJK-13は粘膜免疫、また細胞性免疫の賦活化に役立つことが確かめられました。
【試験概要】
YJK-13の整腸効果を調べるため、便秘傾向のある健常者ボランティアにYJK-13を8週間摂取してもらいました。
被験者 | 便秘気味の健常成人女性(n=9) |
試験サンプル | YJK-13 600mg/day |
期間 | 8週間 |
試験方法 | YJK-13を試験期間中毎日摂取してもらい、排便状態の記録と試験後のアンケート調査を行った。 |
【試験結果】
YJK-13の摂取により、試験7週目から排便回数の有意な増加が見られ、また試験後50%以上の被験者で排便量、おなかの調子が良くなる傾向が確認されました。