ショウガ麹は、ショウガを麹菌で発酵させることでショウガの機能性を高めた発酵素材です。ショウガの成分に加えて、麹菌が産生する高い酵素活性が特長です。
期待出来る機能 | ・冷え性改善 ・血管拡張 ・脂肪蓄積抑制 |
---|---|
形状 | 粉末 |
溶解性 | 不溶性 |
規格項目 | プロテアーゼ活性:陽性 α-アミラーゼ活性:陽性 |
表示例 | ショウガ麹 ショウガ発酵物 |
納品形態 | 1㎏ |
推奨摂取量 | 250~500㎎/日 |
※このページに記載している情報は、健康食品等の業界関係者を対象にしており、製品の効果・効能を謳うものではございません。
1.ショウガ麹の開発ストーリー
ショウガは日本では2~3世紀頃中国より伝わり、奈良時代には自国での栽培も始まったとされる、日本人にとって食経験の歴史の長い安全性の高い可食植物です。海外では香辛料として用いられる事が多いですが、日本では生食や鮮魚の臭み消しや薬味として付け合わせにも用いられてきました。また中医学では生姜(しょうきょう)や乾姜(かんきょう)の原料として用いられ、日本でも古くより漢方として処方されていました。独自の辛味成分として6-ジンゲロールや6-ショウガオール等が分離同定され、近年それらの生体への色々な機能性が報告されるようになり、注目を集めています。
近年『性差医学』や『フェムテック』という言葉が広まりつつあります。それらは女性の健康課題を考える際に、男性との性差やそれに起因する様々な女性独特の症状、疾患などに焦点を当て、解決をしようとする新しい技術や方法を指します。弊社はそれらに対応できる素材として『ショウガ』に着目し、それを麹化することで健康に対する保健機能性を高める事に成功しました。
2. 詳細データ
ショウガ麹の肉軟化効果と味への影響を調べました。鶏ミンチ肉にショウガ麹を5%混ぜ一晩熟成した所、食感、旨味が改善され、その裏付けとして遊離アミノ酸の量が増加していました。
遊離アミノ酸量(mg/100g) | |
---|---|
対照 | 234 |
ショウガ | 221 |
ショウガ麹 | 469 |
【試験概要】
冷え性の健常人女性を被験者として、寒冷刺激時におけるショウガ麹の摂取による表皮温度の回復効果と指先の血管径の変化について調べました(実験①)。さらにたんぱく質との併用効果についても調べました(実験②)。
被験者 | 冷え性の健常人女性 5名 |
試験サンプル | (実験1) ①ショウガ麹入カプセル:250㎎×2個 ②ショウガ入カプセル:250mg×2個 ③プラセボのカプセル:250mg×2個 (実験2) 実験1の①+乳たんぱく飲料200mL 実験1の③+乳たんぱく飲料200mL 実験1の③のみ |
試験方法 | 試験デザインは二重盲検クロスオーバー試験で行った ①24±1度の室温の部屋にサンプル摂取20分前までに入室し、各群の被験食を摂取し20分安静にする ②20℃の冷水に左手を一分間浸ける ③以降5分間隔で指先表面温度と末梢血管幅の測定を行う |
【試験結果】
(実験①)ショウガ麹摂取によりプラセボ群に比べ有意に体温の上昇・回復効果が認められました。またショウガ摂取に比べ体温の上昇が維持する傾向が認められました。さらに指先の血管幅についても有意に拡張する事が確認されました
(実験②)ショウガ麹と乳たんぱくを同時に摂取する事で、食事誘導性熱産生(DIT)がショウガ麹により促進され、体温回復効果が早く、持続する事が確かめられました
【試験概要】
マウスによる高脂肪食負荷時のショウガ麹および酵素活性失活ショウガ麹の脂肪蓄積抑制効果の確認試験を行いました
被験動物 | 6週齢雄性C57BL/6Jマウス(n=8) |
試験サンプル | ショウガ麹 酵素失活ショウガ麹 |
期間 | 28日間 |
試験方法 | 高脂肪食にショウガ麹を各濃度添加した飼料または酵素失活ショウガ麹を添加した飼料を自由摂取させ、脂肪組織重量を測定した。 |
【試験結果】
ショウガ麹の用量依存的に脂肪蓄積抑制効果が認められ、また麹の酵素を失活させたものに比べ、酵素活性のあるショウガ麹により強い効果が認められました
【試験概要】
マウスマクロファージ培養細胞RAW264.7は、常法により継代培養した後RANKL(Receptor Activator of NF-κB Ligand)を添加することで、その受容体であるRANKを介し転写因子NFATを活性化して破骨細胞への分化を起こすため、破骨細胞としても利用できます。そこでRANKLをRAW264.7細胞に添加した後ショウガ麹抽出物を各濃度で添加し破骨細胞分化がショウガ麹の添加で抑制されるかを調べました。
次に破骨細胞への分化が実際に抑制されたか調べるため、破骨細胞への分化後細胞マーカーであるTRAPタンパク質が発現している細胞(TRAP陽性細胞)数とTRAP遺伝子の発現量をそれぞれ調べました。
【試験結果】
NFAT活性およびTRAPタンパクの発現を調べた結果、いずれもショウガ麹の添加濃度依存的に抑制されていたため、ショウガ麹には加齢や慢性的な炎症により起こる骨の老化(破骨細胞の活性化による骨粗しょう症の増悪)を抑制する可能性が示され、超高齢社会における運動能の維持(ロコモティブシンドロームの予防・改善)に役立つことが示唆されました。