紅麹粉末K-F

紅麹粉末K-Fは、モナコリンKを有効成分とする機能性素材です。紅麹は中国では古くから漢方素材として知られ、日本でも赤色の食品用天然色素として幅広く使用されています。紅麹色素をお探しの方はベニコウジ色素シリーズをご案内しております。

基本情報

期待出来る機能コレステロール低下
形状粉末
溶解性不溶性
規格項目モナコリンK:陽性
表示例紅麹粉末(デキストリン、紅麹)
納品形態1㎏
推奨摂取量70~100㎎/日

※このページに記載している情報は、健康食品等の業界関係者を対象にしており、製品の効果・効能を謳うものではございません。

目次
1.紅麹粉末K-Fの開発ストーリー
 1-1 紅麹とモナコリンK
 1-2 紅麹粉末K-Fの製造工程
2. 詳細データ
 2-1 コレステロール・中性脂肪改善効果
 2-2 肝障害抑制効果
 2-3 リラックス効果

1.紅麹粉末K-Fの開発ストーリー

  • 1-1 紅麹とモナコリンK
紅麹菌を用いた様々な食文化(画像左上からカニカマの着色、紅糟炒飯、紅糟鰻魚、紹興酒)

紅麹菌は日本で常食される味噌、醤油、清酒などの発酵に用いられる黄麹菌の仲間で、菌糸が鮮やかな紅色を呈する事から紅麹菌と呼ばれます。現在では約20種70株ほどの紅麹菌が同定されており、古くは中国で食品の発酵や生薬の原料として用いられてきました。一方近年では紅麹菌が作るその鮮やかな紅色色素を食用色素として分離、生産されるようになり、カニカマや醤油、ハム、ソーセージなどに安全で性質が安定した天然食用色素として広く用いられるようになりました。このように紅麹菌や紅麹色素は昔から発酵食品や飲料に用いられてきた安全性の高い食品素材ですが、機能性食品素材として一躍注目を集めるようになったのは日本人の研究者であり、「世界一販売された薬」スタチンの生みの親として知られる遠藤章博士の研究に関連しています。

モナコリンKの肝臓でのコレステロール合成阻害機序

紅麹菌が作る特徴的な成分としてモナコリンKが挙げられます。モナコリンKは1979年に紅麹菌の一種である、Monascus ruberよりコレステロール合成阻害活性を持つ物質として発見され、その後引き続きモナコリンJ,Lなどが発見されました。コレステロールは肝臓で図に示すような代謝経路を経て合成されますが、律速酵素(一連の代謝反応の中で最も重要な反応速度を決める酵素)として働くHMG-CoA還元酵素とモナコリンKは非常に近い構造を持っているため、モナコリンKはHMG-CoA還元酵素に対し拮抗作用を示しコレステロールの合成を抑制する事が分かっています。この「HMG-CoA還元酵素阻害機序」が上述の世界一売れているコレステロール合成阻害薬のスタチンと同じであることから、機能性食品素材として紅麹菌が注目されるようになりました。


また肝臓でのコレステロール合成抑制の結果、肝臓コレステロールの濃度低下→胆汁酸などを肝臓で作るのにコレステロールが必要なため、肝臓のLDL受容体が発現増加→血中より肝臓へLDLの取り込みが促進→血中LDLコレステロールが低下という作用機序も示されています。
(※図に示すようにLDLは主に肝臓から血管や組織にコレステロールを運び、HDLは逆に血管や組織からコレステロールを肝臓に戻しますが、HDLとは別にLDLもその受容体がある場所にコレステロールを運びます。そのため肝臓でLDL受容体の発現が増えれば相対的に肝臓にやってくるLDLコレステロールの量が増え、血中のLDLコレステロールの量が減る事になります)

  • 1-2 紅麹粉末K-Fの製造工程

紅麹粉末K-Fはヤヱガキ醗酵技研の持つ独自の培養技術により、紅麹菌(Monascus pilosus)を液体培養して得られた紅麹菌体を除去したろ過液を減圧濃縮し、賦形剤(デキストリン)で調整して殺菌、乾燥した食品原料です。

2. 詳細データ

  • 2-1 コレステロール・中性脂肪改善効果

【試験概要】
紅麹粉末 K-Fは動物試験でコレステロール低下作用が確認されたため、ヒト介入試験を実施しました。コレステロール値が高めの健常成人男性17名に紅麹粉末 K-Fを含有する錠剤を3週間飲用してもらい、経過観察としてその後1週間飲用をやめてもらい、血中のコレステロール量などの測定を行いました。

被験者26~56歳の健常成人男性(n=17)
試験サンプル紅麹粉末K-F 23 mg含有錠剤(3錠/day)
期間試験サンプルを3週間飲用後に1週間飲用中止した
試験方法試験デザインは前後比較オープン試験で実施した。1週ごとに血清中総コレステロール、HDL-コレステロール、中性脂肪、血糖値、血圧など測定

【試験結果】
紅麹粉末 K-Fを含む錠剤の飲用で、総コレステロールが約15%低下する事が確かめられました。これは悪玉コレステロールであるLDL-コレステロールと中性脂肪の低下によるものと考えられ、飲用中止後は飲用前の数値に戻っていました。

  • 2-2 肝障害抑制効果(紅麹液2000を用いた試験)
肝臓の炎症マーカー(AST、ALT)の変化

【試験概要】
紅麹の新しい機能性として肝障害抑制効果をモデル動物にて確認しました。試料を経口投与した後激しい肝炎を起こす物質(四塩化炭素)を経口投与し、肝炎マーカー(AST, ALT)を用いて紅麹の肝障害に対する効果を調べました。

被験動物SDラット(5週齢、n=5)
試験サンプル紅麹液 2000 0.5 mL(紅麹粉末K-Fとして70mgに相当), 対照群として同量の水投与
期間単回投与
試験方法一晩絶食後、ラットに試験サンプルを経口投与した1時間後に四塩化炭素を0.3 mL経口投与し、肝障害惹起後17時間後に腹部大動脈から採血しAST, ALTの測定を実施

【試験結果】
紅麹液2000の経口投与により肝炎モデル動物で肝障害が抑制される事が確かめられました。

  • 2-3 リラックス効果
脳波測定位置
α波ミッドα帯域(右脳が最も活動しリラックス状態)経時変化
α波ファストα帯域(右脳が少し活動しややリラックス状態)経時変化
β波帯域(左脳が最も活動し不安、緊張、ストレスの状態)経時変化

【試験概要】
紅麹の新しい機能性として、摂取によるリラックス効果があるかを確認しました。健常な女子大学生のボランティアに紅麹粉末 K-Fを含んだ水を摂取してもらい、脳波の各帯域測定から緊張、ストレス、リラックスに対する効果を調べました。

被験者健常な女子大学生(n=3)
試験サンプル紅麹粉末 K-F 400 mg/200 mL水または同量の水
期間単回投与
試験方法プラセボ対照比較オープン試験で実施した。試料を摂取後、脳波計により各周波数解析を行った。

【試験結果】
α波ミッドα帯域(右脳が最も活動しリラックス状態を示す)は変化にばらつきが大きく、紅麹の効果は認められませんでした。一方α波ファストα帯域(右脳が少し活動しややリラックス状態を示す)は試験80分以降で紅麹摂取で高く推移しました。β波帯域(左脳が最も活動し不安、緊張、ストレスの状態を示す)は試験30分以降で紅麹摂取により低値で推移する傾向が見られました。

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