ヤヱガキ醗酵技研株式会社

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大麦醗酵エキスついての研究
「NCマウスにおける大麦醗酵エキスのアトピー性皮膚炎抑制効果」−日本農芸化学会 2007年度大会−
【目的】

昨年度の大会にて大麦醗酵エキス(FBE)が鼻炎症状を誘導したマウスのくしゃみ・鼻掻き行動や血清IgE濃度の上昇を抑制し、抗アレルギー効果を有する事を報告した。今回我々は、FBEがアトピー性皮膚炎に対して抑制作用を示すか評価した。


【方法】

アトピー性皮膚炎モデルマウスとしてNC/Ngaマウスを使用した。皮膚炎を誘導するため、試験初日に5%ピクリルクロライド溶液で感作し、その4日後より毎週背部および耳介部に1%ピクリルクロライドを塗布した。FBEは飼料に5%もしくは2%添加し、感作10日前より自由摂取させた。皮膚炎の症状は、5項目について4段階でスコア化し、その合計点数で評価した。また血清IgE濃度の測定もおこなった。


【結果】

試験5週目より対照群の皮膚炎の症状が悪化し始めたが、FBE5%摂取群では、皮膚炎症状の悪化を抑制していることが観察され、皮膚炎症状のスコアに対照群と比較して有意な差が認められた。また血清Total IgE濃度では、FBE5%摂取群に上昇抑制傾向が認められた。以上のことからFBEはアトピー性皮膚炎を軽減する効果を有していることが明らかとなった。

「大麦醗酵エキスの抗アレルギー作用画分の解析」−日本農芸化学会 2007年度大会−
【目的】

大麦醗酵エキスは大麦を麹菌と酵母で醗酵することによって得られたエキスである。我々は、これまでに大麦醗酵エキスがマウスの鼻炎症状を軽減し、更にアトピー性皮膚炎モデルであるNC/Ngaマウスの皮膚炎発症を抑制することを明らかにした。その作用メカニズムはIgE産生抑制効果であると推測されているが、本研究では大麦醗酵エキスのIgE産生抑制効果に関与する成分について調べた。


【方法】

大麦醗酵エキスをエタノール沈殿法によって、50%エタノール沈殿画分(50%ppt)、80%エタノール沈殿画分(80%ppt)および上清(sup)に分画し、凍結乾燥後、粉末化し動物実験の試料とした。実験動物にはBalb/c(5週齢、雌)を使用し、OVA20μgとAlum2mgの混液を0日目、5日目に腹腔内投与し、感作した。さらに局所感作として2回目感作の3週間後よりOVA溶液(50μg/μl)2μlを両側鼻腔内に連日投与した。大麦醗酵エキスは飼料に2%添加し、分画物はその相当量を添加し、2次感作1週間後より自由摂取させた。自由摂取開始後、毎週採血をおこない、血中OVA特異的IgE抗体の濃度を測定した。


【結果】

局所投与によって対照群の血中OVA特異的IgE濃度の上昇が認められ、局所投与1週間後には対照群と比較して50%ppt群に有意な差が認められた。このことにより大麦醗酵エキスの抗アレルギー作用は50%ppt画分に含有される高分子物質により示されると考えられた。また50%ppt画分の成分分析の結果、約70%が糖であることが明らかとなり、有効成分は多糖である可能性が示唆された。現在50%pptの構成糖について解析している。

「ラット好塩基球白血病細胞(RBL-2H3)による抗アレルギー物質の探索」−日本農芸化学会 2007年度大会−
【目的】

アレルギーが急増する社会においてアレルギー治療が模索されている。医薬品による治療では副作用問題が懸念されるが、日常的に摂取している食品などによるアレルギー抑制治療では、副作用の問題が解決されると考えられている。従って最近では、生鮮食品や健康食品など生体調節因子による食品の抗アレルギー機能が注目されている。本研究では、IgE受容体発現ラット好塩基球白血病細胞(RBL-2H3)を用いて、野菜、健康食品、薬草による抗アレルギー作用について検討をおこなった。


【方法】

野菜(5種)、健康食品(5種)、薬草(15種)をPBS抽出(10mg/g)または熱水抽出(20mg/g)をおこない、各々の上清を試料とした。抗アレルギー作用は、RBL-2H3細胞に抗体IgE anti-DNPを結合させた後、抗原DNP-BSAと試料の競合により脱顆粒誘導をおこない、抗原感作後30分のβ-hexosaminidase酵素活性を測定した。さらに抑制活性が認められた試料については、抗原感作後60分のhistamine産生を測定した。Positive controlとしてアレルギー性疾患治療薬のフマル酸ケチチフェン、negative controlとしてPBSを用いた。


【結果・考察】

β-hexosaminidase酵素活性は、negative controlに対する比により求め、全25種中7種に抑制活性が確認された。さらに7種の50%抑制活性を比較した結果、野菜ではシュンギク>シソ>ネギ、健康食品・薬草では、シジュウム茶>ローズマリー>ヨモギカフェ酸>ヨモギの順であった。またhistamine産生では、negative controlに対し、7種中4種(シュンギク、シジュウム茶、ヨモギカフェ酸、ローズマリー)に有意な脱顆粒抑制活性が認められた。以上の結果より、シュンギク、シジュウム茶、ヨモギカフェ酸、ローズマリーに抗アレルギー作用が認められ、中でもヨモギカフェ酸に最も強い抑制作用が認められた。

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清酒関連の機能性発表
「清酒関連酒粕からのレジスタントプロテイン高含有素材の調製とその生理機能」
−日本農芸化学会 2007年度大会−
【目的】

液化仕込みの酒粕(液化酒粕)は蛋白質含量が高く、食物繊維様の生理活性を示すレジスタントプロテイン(RP)が豊富に含まれると考えられる。そこで、RPの高純度化を目的とし、液化酒粕を消化酵素で処理した酒粕RPの調製を試みた。また、その生理機能についてラットにおける酒粕RP摂食試験により評価した。


【方法および結果】

液化酒粕を0.1N塩酸で洗浄処理した後、糖化酵素、酵母細胞壁溶解酵素を反応させ、さらに消化酵素であるペプシンおよびパンクレアチンで処理した。酵素処理後、固液分離した固形分を乾燥してRPを主要成分とする難消化成分を調製した。酒粕RP中の蛋白質および食物繊維含量を測定し、対照飼料中のカゼインとセルロースの割合と置き換え、コレステロールとコール酸Naを添加した飼料を5週齢のSD系雄ラットに3週間、自由摂取させた。その結果、対照群と比べ酒粕RP摂取群は、血清脂質レベルの改善作用が見出された。

「酒粕からの難消化成分の脂質代謝改善作用」−日本農芸化学会 2007年度大会−
【目的】

我々は、液化酒粕から消化酵素を用いてレジスタントプロテイン(RP)高含有素材を調製し、その生理機能について報告した。ここではRPを始めとする食物繊維様成分を複合的に含有する酒粕難消化成分を工業的に調製する方法を開発し、その難消化成分がラットの脂質代謝にどのような影響を及ぼすか検討した。


【方法および結果】

酒粕を市販の食品用酵素剤で処理し、難消化成分を調製した。酒粕難消化成分中の蛋白質および食物繊維含量を測定し、対照飼料中のカゼインとセルロースの割合と置き換え、コレステロールとコール酸Naを添加してSD系雄ラットに3週間、自由摂取させた。解剖後、脂質レベル、盲腸内容物の短鎖脂肪酸、糞中ステロールについて測定した。その結果、酒粕難消化成分をカゼインおよびセルロースと置き換えてもラットの成長を阻害することはなかった。酒粕難消化成分の摂取により、血清および肝臓の脂質レベルにおいて濃度依存的な減少がみられ、また糞中中性ステロールの排泄量が増加した。酒粕難消化成分の脂質レベル改善作用は、糞中への脂質排泄促進効果と考えられた。

「酒粕から得られた難消化成分のコレステロール胆石形成抑制作用」
−日本農芸化学会 2007年度大会 第61回 日本栄養・食糧学会大会−
【目的】

我々は液化仕込みの酒粕からレジスタントプロテインを始めとする食物繊維様の成分を複合的に含有する酒粕難消化成分を工業的に調製する方法を開発し、その難消化成分がラットの脂質代謝を改善することをこれまでに報告した。本研究では、この酒粕から得られた難消化成分のマウスにおけるコレステロール胆石形成抑制作用について調べたので報告する。


【方法および結果】

酒粕を市販の食品用酵素剤で処理し、難消化成分を調製した。酒粕難消化成分中の蛋白質および食物繊維含量を測定し、対照飼料中のカゼインおよびセルロースの割合と置き換え、コレステロールとコール酸Naを添加して1群10匹の雄性ICRマウス(5週齢)に21日間、自由摂取させた。解剖後、胆嚢を摘出し胆石形成の有無を肉眼評価した。その結果、対照群のほとんどのマウスは胆石を形成したが、酒粕難消化成分を摂取させた全てのマウスにおいて胆石は形成しなかった。また胆嚢中のコレステロール含量の有意な低下が確認された。血中脂質レベルでは酒粕難消化成分の効果は認められなかったが、肝臓コレステロール含量の低下がみられた。酒粕難消化成分を摂取させることで、糞重量の増加と糞中コレステロール含量の増加が確認された。


【結論】

以上の結果から、酒粕から得られた難消化成分は、マウスのコレステロール胆石形成を抑制し、これは糞中への脂質排泄促進効果であると考えられた。

「酒粕から得られた難消化成分の肥満抑制作用」−第61回 日本栄養・食糧学会大会−
【目的】

我々は液化仕込みの酒粕から酒粕難消化成分を調製し、それを高コレステロール食ラットに与えると脂質代謝改善作用を示し、同時に脂肪蓄積量の減少を示すことをこれまでに報告した。本研究では、この酒粕から得られた難消化成分をラットに与えることで肥満抑制作用を示すのか検討したので報告する。


【方法および結果】

酒粕を市販の食品用酵素剤で処理し、難消化成分を調製した。酒粕難消化成分中の蛋白質、脂質、食物繊維含量を測定し、対照飼料中のカゼイン、コーンオイル、セルロースの割合と置き換え、1群12匹のSD系雄ラット(5週齢)に42日間、自由摂取させた。解剖はエーテル麻酔後、開腹し、腹部大動脈より採血した。また各種臓器、脂肪組織、右大腿腓腹筋を摘出し、それらの重量を測定した。対照群に比べて酒粕難消化成分群では飼育終了時の体重減少がみられた。しかし、体重比でみると筋肉には減少がなく、脂肪組織の減少であることが確認された。また血中脂質レベルでは酒粕難消化成分の効果は認められなかったが、肝臓コレステロール含量の低下がみられた。


【結論】

以上の結果から、酒粕から得られた難消化成分は、ラットの肥満を抑制し、それは筋肉重量を減少させずに脂肪重量を減少させるものであった。

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カキドオシについての発表

「カキドオシのメタボリックシンドロームモデル動物に対する症状改善効果」−日本農芸化学会 2007年度大会−
【目的】

カキドオシは東アジアを原産とするシソ科の多年草である。我々は、カキドオシのメタボリックシンドロームの症状改善に対する作用を確認するため、高血圧自然発症ラットのバックグラウンドにレプチン受容体遺伝子のナンセンス変異が導入されたSHR/ND mcr-cp (cp/cp)で検討したので報告する。


【方法】

実験動物には、SHR/ND mcr-cp (cp/cp)の他、非肥満同胞であるSHR/ND mcr-cp (+/+)、健常なラットWKYを1群5匹で検討した。飼料にカキドオシを5%添加し、90日間自由摂取させた。血圧、血糖値を毎週測定し、解剖時には、脂肪組織、各種臓器を摘出し、脂質レベル、レプチン、アディポネクチンを測定した。


【結果】

対照群のSHR/ND mcr-cp (cp/cp)は、試験期間中の体重増加、血圧および血糖値の上昇、脂質レベルの増悪が見られたが、カキドオシを摂取させることでそれらの症状すべてに改善が見られた。またカキドオシの摂取でレプチンの低下、アディポネクチンの増加が確認された。

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ルテインについての発表

「水可溶性ルテイン(マリーゴールド色素乳化製剤)の易吸収性」−第13回 総会・学術大会 日本食品化学学会−
【目的】

ルテインは強い抗酸化作用を有する脂溶性カロテノイドの一種で、緑黄色野菜に多く含まれている。ルテインはヒトの体内器官や皮膚にも存在するが、特に眼の水晶体、黄斑部に存在するルテインは重要で、水晶体、黄斑部のルテイン量が少なくなると、白内障や加齢黄斑変性症等、眼病の一要因になることが知られている。我々は、これまでに動物実験で脂溶性のルテインを乳化処理すると生体への吸収性が著しく向上することを報告した。本研究では、より高い吸収性を示す水可溶性ルテインの乳化条件について検討したので報告する。


【方法】

実験1:脂溶性ルテインと水可溶性ルテインの吸収性の違い
ルテインは、味の素(ルテイン遊離体)および三栄源エフエフアイ(ルテインエステル体)の脂溶性ペースト品(マリーゴールド色素)を原料に乳化剤を用いて水可溶性に乳化させた。4週齢の雄性Sprague Dawleyラットを1群5匹となるよう個別に飼育し、飼料中のルテイン含量が0.5%となるように添加し、5日間、自由摂取させた。解剖は腹部大動脈より採血し、肝臓を摘出した。血中ルテイン含量および肝臓中ルテイン含量はHPLCにて定量した。

実験2:ルテイン吸収におけるレシチンおよびセラミドの効果
実験1に用いた水可溶性ルテインの乳化条件を基本に、レシチンおよびセラミドを配合した場合について乳化安定性の確認とルテインの吸収性を、実験1と同様に動物実験で評価した。


【結果】

実験1:各群とも摂餌量および体重変化に大きな違いは認められなかった。
血中におけるルテイン含量では、脂溶性ルテインに比べて水可溶性ルテインの値が有意に高かった。肝臓のルテイン含量も同様の結果が得られたが、ルテインエステル体よりもルテイン遊離体のほうが血中への移行性および肝臓中のルテイン濃度が高いことが示された。

実験2:レシチンやセラミドの配合によって水可溶性ルテインの乳化安定性に影響を及ぼすことはなかった。
動物実験の結果、血中におけるルテイン含量では、レシチンやセラミドを配合するほうが高く、肝臓のルテイン含量も同様の結果が得られた。レシチンとセラミドではセラミドのほうが吸収性は高かったが、両者を併用するものが最も効果的であった。


【結論】

以上の結果から、乳化処理により水可溶化させたルテイン(マリーゴールド色素乳化製剤)は、原料である脂溶性ルテインよりも吸収性が高く、さらにレシチンやセラミドを配合することで、より吸収性に優れた機能性素材になることが確認された。 本研究は、平成17-18年度兵庫県第二創業・新分野進出支援事業(先進的ものづくり産業進出支援)の補助を受けて実施したものである。

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